推古天皇元年(593年) 聖徳太子による創建
多宝塔は慶長2年(1597年) 豊臣秀吉による再建
金堂は元和4年(1618年) 徳川2代目将軍秀忠による再建
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 愛染明王
  (あいぜんみょうおう)
愛染明王

愛染明王は、もともとは煩悩〈愛欲や欲望、執着〉を悟りに変えて、菩提心(悟りの境地)にまで導いてくれる力を持つ仏様です。梵名は「ラーガ・ラージャ」といい、全身はギラギラと燃えたぎるような赤色で、三目六臂(三つの目と六本の腕)をそなえ持ち、まるで私たちの不甲斐無さを叱りつけているかのような忿怒の形相をされています。 …が、それも実は衆生済度の為、諸々の悪者を追い返す為であり、根は優しく、愛敬(あいきょう)開運を授けてくださるご利益があります。

「愛染」=「藍に染める」という言葉から、染め物屋、アパレル関係者からの信仰も篤く、愛敬をアップしてヒットを祈願する芸能人、商売繁盛を願う商人・企業家、出世を願うサラリーマンとその家族、身体健全を祈る人たち、必勝祈願の受験生と…、愛染明王は不動明王と並んで多種多様の方々から支持されています。

それというのも、『金剛峯楼閣一切瑜伽瑜祇経
(こんごうぶろうかくいっさいゆがゆぎきょう)』という経典に、愛染明王の霊験は「無病息災」「増益」「敬愛」「降伏」「鈎招(福神を招く)」「延命」である。と記され、特に良縁成就結婚成就夫婦円満商売繁盛においては仏教神の中では最強最高と誰もが認めるほどで、その手に持たれた弓と矢で愛のキューピットのように人と人、心と心を結び付けます。
 
お祈りの仕方は、 紙に書いたお願い事を両手でぴったりと押さえ、手は必ず鼻よりも上に来るようにして、愛染真言「ウン・シッチ・ソワカ」と唱えながら、一心に目をとじて願います。21日間、毎日祈願することで願いがたちどころにして成就しやすくなると伝えられています。

この仏様は秘仏となっており、愛染明王の大縁日にあたる愛染まつり(6月30日〜7月2日)とお正月の新春ご開帳(1月1日〜1月7日)のみ御開帳しております。

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 大日大勝金剛尊
  (だいにちだいしょうこんごうそん)
大日大勝金剛尊

大日大勝金剛尊
大阪市内に残る、桃山時代の唯一の遺構であり、国の重要文化財(旧国宝)に指定されている多宝塔の内部に、微笑を浮かべて、ひっそりと白色の蓮華座の上に座っているのは、十二臂(12本の腕)をそなえ持つ、世にも珍しい大日如来さま「大日大勝金剛尊(だいにち・だいしょう・こんごうそん)」です。大日大勝金剛尊単体では大阪市の有形文化財に指定されています。

大日如来とは、仏法そのものを表現した仏様で、全ての仏様は大日如来の化身であり、すべての王であり、すべての根源であり、すべての全てであるとされています。

「 大 」 → 大いなる
「 日 」 → 智恵の光
「大勝」 → あらゆる戦い(競争)に勝利する
「金剛」 → ダイヤモンドように硬い
「 尊 」 → 尊い仏様

ご真言は「オン・バザラ・ダトバン」

この大日大勝金剛尊は、多宝塔と同じく、豊臣秀吉が戦勝祈願のために贅を尽くして造像させたといわれ、勝利開運の守り本尊として、衆生の苦悩を除き、煩悩を打ち砕き、福禄を授けてくださることから、愛染明王とともに古くから広く信仰されております。

多宝塔の内部は秘仏となっており、見ることは出来ませんが、愛染まつり(6月30日〜7月2日)の期間中のみ、正面扉を開いて御開帳しております。


 多宝塔
 内部壁画

大日大勝金剛尊の周りには、仏教の守護神である十二天の壁画と柱絵が納められています。

多宝塔内部壁画
多宝塔内部壁画

多宝塔内部壁画
十二天とは、東・西・南・北・東北・東南・西北・西南・天・地・日・月を守護する神々を集めて十二天としたもので、伊舎那天、帝釈天、火天、焔魔天、羅刹天、水天、風天、毘沙門天、梵天、地天、日天、月天の十二尊で構成されています。

この壁画は、1597年(慶長二年)、豊臣秀吉が戦勝祈願の為に多宝塔を再建した際、一緒に奉納された歴史あるものです。

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 十一面観音
  (じゅういちめんかんのん)
十一面観音 十一面観音

心優しい観音さまは、33の姿に変身して、常に私たちを見守ってくださると伝えられ、大慈大悲の菩薩として最も広く崇拝されています。

その中でも十一面観音は、様々な能力を11の顔で表した仏さまで、頭部に小さな11の顔を戴せています。 3つの寂静面(大定の徳)、3つの威徳面(大智の徳)、3つの利牙面(大悲の徳)という定、智、悲の三徳を表し、そこに最後部の爆笑面と、頂上の如来面で合計11面(仏像の顔を入れて12面)になります。

私たちが一生の間に出会う辛い事や悲しい事も、十一面観音のご真言、

「オン・マカ・キャロニキャ・ソワカ」

を至心に唱えるだけで、軽減されるといわれています。

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 勝鬘夫人
  (しょうまんぶにん)
勝鬘夫人 勝鬘夫人

古代インドのコーサラ国・パセーナディー王の娘、シュリーマーラー(勝鬘夫人)は、深くお釈迦さまの教えに感動して、お釈迦さまと沢山の人々の前で大乗仏教の教えを大演説されました。

大乗仏教というのは、「この世の全ての生きとし生ける者には平等に仏性(悟りを得る能力)が生まれながらに宿っている」という思想です。 その演説の内容を書き記したものが勝鬘経で、勝鬘経は数ある経典の中で、出家していない身分で、しかも女性(お姫さま)が主人公として登場する唯一のお経です。

「尼として出家していないお姫さまでも、仏教を信じると悟りを得ることができる」という勝鬘経は、その当時、日本初の女帝として活躍していた推古天皇にピッタリの内容で、聖徳太子が彼女の為に3日間にわたって講義を開いた(そして推古天皇を喜ばせた)ことでも有名です。


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 薬師如来
  (やくしにょらい)

薬師如来は左手に薬壺を持っておられ、そのご利益は
病気平癒・身体健全・除病延寿・災難除去などといった、人々の病や怪我を治して、福徳を与えて下さる仏様で、飛鳥時代から広く信仰されています。

ご真言は
「オン・コロコ ロ・センダリ・マトウギ・ソワカ」


愛染堂(勝鬘院)は以前、施薬院とも呼ばれ、あらゆる薬草を植えて病院のような役割をもっていましたので、そのご縁で仏師・竹沢鶴松師が九十歳の時にこの像を造像し、愛染堂にご奉納下さりました。
薬師如来
竹沢鶴松師 作

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